映画。

今日は月初め、映画の日…ということで仕事をお休み貰って映画館に行って来た御月ですこんばんは。今月の映画は「ローレライ」。
えぇと、普通に面白かったです。個人的に「潜水艦ものにハズレはほとんどない」と思ってたので、それなりに期待していたのですが…期待以上でした。ストーリィのポイントを抜き出してみると、結構ベタなんですけど…なんだろう、テクニックとかそういう枠にはまらない部分で、何か勢いに乗っかっているところがあるのかもしれないです。上手く言えないんですけど。
しかしこの映画、スタッフ陣が変。メジャーな名前が変なところで出てくるんですよ。ほとんど出てこないところに橋爪功が出てたり。画コンテ協力が庵野秀明エヴァの監督さんですね)だったり、ミニチュア制作の協力に海洋堂食玩の最大手じゃなかったっけ? だから不思議じゃないといえば不思議じゃない…のかな?)が出てたり。B29のトップマークデザインが押井守攻殻機動隊のアニメ監督だったよーな)だったり。監督さんのプロフィールを見ると、もとは特撮の監督もやっていたそうなんで、監督自ら特撮の監督やっても不思議じゃないんだけど…普通他の人に任せるんじゃないのか、とか。協力の中に早稲田大学が入っているのはわかるけど(多分、講堂などを撮影したんじゃないかと推測)、海自と文化庁が謎だったり。
最大の謎は、役者名しか出てこない(要するに役名がないほどの端役)のところに、「富野由悠季」「庵野秀明」の名前があるんですけど! どこだよわかんねぇよ! つか本人なのか!?
ローレライのタイトルにも絡んでくる歌はヘイリーという歌手さんが歌っていたそうなんですけど、透明感のある綺麗な声で、さすがでした。あんな歌声を水中で聞いたら、確かにどこの魔女だと思うだろうなぁ…。
中身については…なんというか、今年だからこそ公開できたんじゃないか、という感じがしました。戦後約60年でようやく、自虐史観から少しずつ抜け出そうとしている今だからこそ、というか。多分、十年前だと受け入れられなかったと思うんですよ。とにかく日本は敗戦国で、とにかく日本が悪くて、日本帝国軍は残虐非道で…というプロパガンダが幅を利かし、「良かったこともあったんじゃないか」というと白い目で見られそうな空気だったと思います。逆に十年後だと、もう当時潜水艦に乗っていた方の指導など受けられなかったでしょうしね。
一番の衝撃は朝倉大佐のセリフ。「大人が自分で責任を取ろうとしなければ、それを見て育つ子供たちはどうなるのか。自分達の国を愛する心も誇りもなく、希望をも見失うのではないか」…みたいなセリフが、一番ずがんときました。現実を見回すと、企業の不祥事やら教職員の不祥事やら公務員の以下略が連日テレビを賑わして。全体的に厭世観が漂っていて、「こんな大人になりたい」と子供たちに思わせるような大人は少なくて。特にやりたいこともなくだらだらと生きていく若者が増えていて。けれど同時に、戦後の焼け野原から力強く立ち直らせた先人の生き方も知っているわけでして。だからこそ、国家としての切腹を求める朝倉大佐の憂いも、未来を諦めない絹見艦長の希望も、どちらも共感できたんじゃないかな、と思います。
ちなみに、予告で戦国自衛隊がありました。7月には観に行こうかなー…。